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04/d47 MUSEUM

LONG LIFE DESIGN 2 祈りのデザイン展 -47都道府県の民藝的な現代デザイン-

会 期 2020年12月 4日(金) - 2021年2月 8日(月)
時 間 12:00〜20:00(最終入館19:30)※水曜休。1/1〜1/7休館、1/8より営業。
場 所 d47 MUSEUM(03-6427-2301)
料 金 入場料:ドネーション形式(会場受付)
事前申込 不要
※2020/12/31は〜18:00まで(最終入館17:30)。2021/1/1〜1/7休館。1/8より営業。

ナガオカケンメイのディレクションによるLONG LIFE DESIGN展 第2回。

47都道府県の民藝的な現代デザインから、未来のものづくりのあるべき姿を探る

 

d47 MUSEUMでは2012年の開館以来、伝統工芸から若い世代によるクリエイション、観光や食文化まで、様々なテーマで47都道府県の個性を紹介してきました。

この「LONG LIFE DESIGN」展は2年毎に企画する、これからの未来のデザインを考える展覧会シリーズです。第一回は「健やかなデザイン」をキーワードに2018年に開催しました。

 

第二回となる今回のキーワードは「祈りのデザイン」。

民藝運動とは、デザイン論である前に、宗教的な美学です。「作為的ではなく」「祈るような澄んだ心」で一点ものの芸術作品ではない「適度に量産された」ものに宿る「美しさ」。そうした本来の民藝運動にあることを感じられる、ものや食品、ランドスケープなどを47都道府県から1つずつ展示します。

本展では、日本各地にある「どうしてか分からないけれど、心惹かれる適度に量産されているもの」を、民藝思想の中で柳宗悦が特に強調する「直観」で選び、並べてみてから、その理由を探っていきます。

 

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【出展者】

 

北海道:点と線模様製作所/青森:弘前こぎん研究所/岩手:釜定/宮城:気仙沼ニッティング/秋田:小松クラフトスペース/山形:アカオニ/福島:人気酒造/茨城:真壁石材協同組合/栃木:ニキシモ/群馬:笠盛・000(トリプル・オゥ)/埼玉:森田千晶/千葉:菅原工芸硝子/東京:minä perhonen/ミナ ペルホネン/神奈川:studio fujino/新潟:Grand Pacific Work・三条市地域おこし協力隊/富山:五郎丸屋/石川:辻和美/福井:山次製紙所/山梨:勝沼醸造/長野:桝一市村酒造場/岐阜:浅野商店/静岡:日本スエーデン/愛知:青柳総本家/三重:内田鋼一/滋賀:たねや/京都:高木正勝/大阪:graf/兵庫:mature ha./奈良:エーヨン/和歌山:堀河屋野村/鳥取:タルマーリー/島根:手仕事フォーラム(もやい工藝)/岡山:倉敷本染手織研究所/広島:マツダ/山口:大嶺酒造/徳島:BUAISOU/香川:讃岐かがり手まり保存会/愛媛:瀬戸内造船家具/高知:ロギール・アウテンボーガルト/福岡:杉工場/佐賀:佐賀市・佐賀バルーンフェスタ組織委員会/長崎:白山陶器/熊本:桂花拉麺/大分:由布院玉の湯/宮崎:渡邊酒造場/鹿児島:城山観光/沖縄:井口工房

 

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【関連イベント】

 

会場では、本企画展の公式書籍や、出展者の関連商品を購入できるほか、会期中にはさまざまな方をゲストにお招きして、トークイベントも行います。詳細やご予約方法は随時こちらのウェブサイトやSNSで公開していきます。どうぞお楽しみに。

d47 MUSEUM:facebookInstagram / twitter 

 

●開催予定のトークイベント

ナガオカケンメイが聞き手となり、さまざまな方をゲストにお招きして、トークイベントを行います。

各イベントの詳細とご予約は、D&DEPARTMENTのwebサイトでお知らせしていきます。

●場内特別展示:民藝グラフィック

ミュージアムショップ内では、芹沢銈介、棟方志功、柚木沙弥郎などが手掛けた包装紙やお酒のラベルといったパッケージデザインを紹介する特別コーナーも。展示品や関連品の販売については、D&DEPARTMENTのwebサイトでお知らせしていきます。本展と合わせてお楽しみください。

 

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【ごあいさつ】 ナガオカケンメイ

 

あのひとのためのデザイン

 

経済優先の社会では、憧れは人工的に作られ、身の丈に合わない、実際の生活とはかけ離れた絵にかいた理想のような暮らしを、様々な生活用品を揃えれば手に入るとされてきました。

戦後、高度経済成長から続く海外への憧れによって「デザイン」とはそれを意識し、それを追うもの、ことを指してきました。

何もかも人口の多い大都市にエネルギーを使い集め、マスメディアによって消費を焚き付けられてきた私たちは、本当の「自分」や「暮らし」への実感もないまま、ここまで来ました。

そしてグローバル化、震災、コロナウィルスの感染拡大などにより、私たちは強制的ではありますが、手に入れたのです。「健やかな思想」を。

実感の持てる楽しく豊かな暮らしを。

徐々に熱を帯びる昨今の「民藝運動」への注目は、もちろん、そうした社会背景により私たちが求め、たどり着いたものと大いにリンクしています。思考が変わりはじめた私たちが呼び寄せたと言っても過言ではないと思うのです。

 

少し横道に逸れますが、哲学者であり民藝思想の生みの親である柳宗悦によるそれは、建築系メディアが生んだブームによって大きく誤解をされ今に至っています。

その誤解とは息子である柳宗理ブームによる「用の美」という紐付け。

本来は心の美しさをモノと紐づけて宗教的に感じる運動であったはずが、いつの間にか「機能性の高いものは、美しい」というプロダクトデザイン論にすり替わり、大切な「健やかさ」の部分がいつの間にか、埋もれて見えなくなっていきました。

民藝運動とはデザイン論である前に、宗教的な美学。作り手の心が清く澄んでいることで、信じられないような美しいものが、美だけを意識して作為的に作られたものを超えて、素朴で美しく、思いやりに満ちて温かく丈夫。つまり「作為的ではなく」「祈るような澄んだ心」で一点ものの芸術作品ではなく「適度に量産された」ものに宿る「美しさ」。

そうした本来の民藝運動にあることと、私たち現代に生きる生活者が様々な日々の中に求め始めたものとが一致し始めている。それがまさにこれから本格的にブームのように起こってくる民藝思想であり、私たちは会った事もないひとのためのモノづくりへの違和感を、よく分からない大量生産への思考を自然に捨て、何が健康的なのかを探しはじめています。

メーカーは架空の推定ターゲットにむけたモノづくりから、あのひとのためのモノづくりへ。

消費者と呼ばれてきた私たちは、生活者としてつながり続けられるモノづくりが、楽しく健やかな暮らしとセットであることに気づく。

「デザイン」は、一昔前のそうした前提から脱し、民藝ブームの力も借りて、意味を進化させ始めています。都会を離れ健やかにうまれたもので生活をしようとし始めている「それに気づいた」人々によって。

 

この企画展は47の日本各地にある「どうしてか分からないけれど、心惹かれる適度に量産されているもの」を、民藝思想の中で柳宗悦が特に強調する「直観」で選び、並べてみてから、その理由を探っていくものです。

メディアやSNSなどの情報を挟まず、「なんか、いいね」というものの中でも最上級に思ったものたちを並べて眺めながら、未来のものづくりのあるべき姿を見出し、そこにこそ「デザイン」と言う呼び名をつけようと願うものです。

日本はこれから自分たちらしさに基づいた文化大国へ進んでいくと思います。

それには、私たち日本人がこの国に暮らし、どういう思考でモノを作り、使うのか。

その底辺が変わりつつある今にあることに、意識を集中させるべきだと思うのです。

貧困問題などを抱えながらも、まだまだモノにすがる私たち消費大国日本にとって、

澄んだ心を取り戻すことこそが、私たちらしいモノづくりの第一歩になると願って。

 

d47 MUSEUM館長、デザイン活動家、D&DEPARTMENTディレクター

ナガオカケンメイ

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