多摩美術大学大学院彫刻専攻にて選抜された5名による展覧会です。
展覧会タイトル「彫刻失格」の元ネタは無論、太宰治の「人間失格」ですが、興味深いのは、これが留学生から提案されたタイトルであること。それに対し、即座に皆が賛同したこと。中には石彫やテラコッタなど、「彫刻の王道」と言える作品があるにも関わらず、それすらも「彫刻失格」の烙印を自ら押す。それは、ますます複雑化する彫刻表現が一周したことを感じさせます。「人間失格」は人間の弱さや脆さを描いた作品ですが、それを「彫刻」に置き換えることで、表現に対する彼らの厳しい自己言及を見ることができます。
「世間というのは、君じゃないか」。本展の5名の作家は、自己と向き合うと同時に、彫刻とは何かを鑑賞者に問いかけます。
作りたいものを造りたい時に創っています。
古典的な素材・技法を用いてまだ見ぬ彫刻を制作しています。
遊びや身体の行為を通して、日常に潜む制度的な暴力を可視化する
「オブジェ」「感知」「メタファー」を軸に、日常の身近な素材を使って作品を制作しています。
素材で見る彫刻の概念ともののあらわし方を提起する。