スペインと日本を拠点に制作を行う瀧梅岡真理子が国宝《源氏物語絵巻》を主題に2005~22年にかけて制作した作品28点を全展示、関連作も同時公開する。
スペインと日本を拠点に制作を行う瀧梅岡真理子は、5年の歳月をかけてボッシュ《快楽の園》をプラド美術館で模写を行ったことで知られ、その実力はスペインで高く評価されている。今展は国宝《源氏物語絵巻》を主題に17年間(2005~22)かけて制作した作品28点を全展示、関連作6点も同時公開する。
「平安時代の光は月と(灯明)燈明で、昼間でも軒の深い屋根と幾重にも重なる御簾で薄暗い室内である。人は歩く様、衣ずれの音、香の薫りを頼りに誰かを知る。建具は木と紙が主で自然を遮らず五感の研ぎ澄まされた暮らしであったと思う。源氏物語は、かすかなのに存在する人々、在るのに見えないもの、仄かなろうそくの光がゆれるような美しく儚い世界なのかも知れない。」(作者の言葉より)