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02/CUBE

ROOM206 Vol.2ナイン・フィッシュストーリーズ

会 期 2023年7月22日(土) - 2023年8月 1日(火)
時 間 11:00 - 20:00※最終日は17:00まで
場 所 CUBE 1, 2, 3
料 金 無料
主 催 ROOM206実行委員会
学生の自主企画展。同時代に出会った9人の蝶のはばたきがいつかどこかで
トルネードを引き起こして世界を救うかもしれない、9つのフィッシュストーリー。
ROOM206とは今年の3月に閉館したアートスペース「3331アーツ千代田」の中にあった貸ギャラリーの名前です。
私たちの初めてのグループ展の開催場所であり、元教室であった空間が作家としての出発点にふさわしく、また私たちの状況や精神的なものを象徴しているように感じられ、そのままグループ展のタイトルとしました。まだ実績も作品数も少ない私達ですが、自主企画展は作家として責任を持つとはどういうことかを学べる貴重な体験であり、また展示を経験すると大学に籠って制作しているだけでは学べないことも多いと実感します。学んだことを次に生かし、新たな発想を盛り込みながら展示を重ねて挑戦を続けていくことがこのROOM206のプロジェクトです。          
 
2回目である今回のVol.2では人数も9名に増え、渋谷というエネルギーが溢れるこの場所で開催させていただくこととなりました。今回の副題「nine fish stories」は伊坂幸太郎さんの短編小説「フィッシュストーリー」からの引用です。(*ちなみにフィッシュストーリーとはホラ話、大げさな話の意)登場人物たちの行動が連鎖し、思いもよらない大きな結果を生み出す物語です。気象学者のエドワード・ローレンツが提唱したカオス理論を語源とした「バタフライ・エフェクト」という言葉があります。偶然の関わりや些細な出来事、連鎖が影響し合い様々な要因によって変化は進み、その先に予想が出来なかった大きな結果につながる現象のことであり、まさにこの小説のテーマでもあります。今回の参加作家の9名は、偶然にも同時代にささやかな関わりを持ち、影響を与えあう学生同士として出会い集まりました。この展覧会が9名のこれまでの小さなストーリーが絡み合った結果実現したものだとしたら、この出来事がこれから未来の何かに繋がっていくのかも、もしかしたら世界の未来の世界を救うかも?....しれません。
 
いずれにせよ、どんな結果や未来が訪れるかは誰にもわかりませんが、今の行動が未来の社会にとってポジティブな何かに繋がる可能性を私たちは信じて制作していることに変わりありません。そんな未来へ続く何かの過程としてこの展覧会をご覧いただきたいと思います。同時代を生きる鑑賞者の方々にも、きっとどこかで何かに繋がるのかもしれません。元教室だったギャラリーから初めてのホワイトキューブへ、少しだけ成長した私たちの作品と展覧会ROOM206 Vol.2での可能性を探る試みをご覧いただければ幸いです。

あいろく葵(aoi airoku)

2003年 東京都生まれ
2022年多摩美術大学入学
美少女という像を用いてセミ・イラストレーション的な独自性を模索する。
制作の中心となっているのは、作家が生み出した美少女キャラクターたちだ。彼女らを生み出すこと、生かすことについて考え、表現を試みている。
 

市川 慧(kei ichikawa)

2022年都立総合芸術高等学校卒業
同年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学
2023年2月 グループ展ROOM206展 アーツ千代田3331
画面の中に西洋絵画の奥行きのある写実的技法と日本の絵画表現における
超平面的な表現を共存させたリミックス絵画やモチーフを反復させることで時間の
経過を表現するネオ未来派など研究・試作中。
 

植村 佳乃子(kanoko uemura)

2002年 埼玉県生まれ  
東京藝術大学絵画科油画専攻3年在籍中
イメージの反復、記号としてのキャラクター、図像を構成するものの最小単位について興味を持ち、GIFアニメ風絵画作品を制作。最近はパフォーマンスやアクリルグッズを大量に使用した半立体作品など、絵画とは別の媒体での作品も展開している。
 
2019「第69回埼玉県美術展覧会」 埼玉新聞社賞 受賞
2022「GEISAI#21」 出展
2023  グループ展 「SOUND INTERACTION」 参加
      グループ展 「(メ)ズム」 参加
 

岡田デレー(dere okada)

2019年 茨城県立笠間高等学校美術科入学
2022年 茨城県立笠間高等学校美術科卒業
同年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学
主に人と人との関係や、対象との精神的距離の変化とそれによって変わり続ける名前を捉える事をコンセプトに絵画制作をする。"スパッタリング"という技法を用い、筆と指、支持体との間の空間や距離を測りながら飛沫する絵の具と、空間を伝わる身体性とともにモチーフを描写するというプロセスを経て作品制作をしている。
 
2022.5月 茨城県笠間市市役所へ寄贈
2022.7月 青い近景 個展 
2022.9月 岡田竜之介作品展 個展
2023.3月 全て隣あっている グループ展
 

大瀧 七海(nanami otaki)

2003年 東京都生まれ
2022年都立総合芸術高校卒業、同年多摩美術大学絵画科油画専攻入学
現実を画面に起こすことによって生じる倒錯感の演出を試みている。自らが日常で捉えているありのままの世界に魅力を感じつつも、本質的には何を心地よく感じているのか問いかけ続けること起点として制作する。
 

蔵内 淡(dann kurauchi)

2003年7月 東京都生まれ 
2020年9月 都立総合芸術高校 中退
2022年5月 ロンドン芸術大学 セントラルセントマーチンズ ファウンデーションコース 
(Foundation Diploma in Art and Design, Central Saint Martins, University of the Arts London) 卒業
2022年9月- 同大学 ファインアート 2D専攻 (BA Fine Art, Central Saint Martins, University of the Arts London) 在籍中
 
ドゥルーズ+ガタリが述べた「スキゾ」の概念を制作に応用し、方向性を定めすぎず一貫性を持たない制作方法をとる。現在は平面上の画面に執着せず、メタ的な視点から絵画の可能性を探っている。主にフォトグラフィーとアートの2つの路線で活動している。
 

グンジ(gunji)

2000年 高円寺Baby
2020年 総合芸術高校卒業
2022年 東京藝術大学油画科入学
現在 学部2年所属。
油彩を使用した平面作品を主に制作。
figure化された滑稽な自分自身がメインモチーフとなっている。
内的世界と外的世界の境界を描き表すことを近年のテーマとしている。
 

鈴宮リョウ(ryo suzumiya)

2001年 千葉県生まれ
2022年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学
さまざまな素材を試し、画材としての新たな表現を模索しつつ、アナログな画材たちが魅せる画面上の表情を大切にしている。時代によって変化し続けるヌードというテーマを再度、画面上に構成していき、身近に存在しつつも捉えきれないヌードへの憧れを胸に抱きながら制作を続けている。
 

宮澤択緖(tao miyazawa)

2003年 東京都生まれ
2022年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学
非説明的且つ暴力的な表現を通し作品と鑑賞者との距離感に人間の元来的な唯一性と
それ故の孤独との混在を再現する試みる実存主義的な思想背景を動機とし様々な媒体を用い制作を行っている。