多摩美術大学大学院・彫刻専攻選抜展は、彫刻学科の大学院生によるグループ展です。前期に制作された作品の中から、高い評価を得た作品を展示します。第18回目となる今年度は、3人のつくり手が選ばれました。展覧会タイトル「立つ、刺す、登る」は、3人それぞれの作品を象徴的に表す身体動詞です。
① 「立つ」。過去に排除ベンチをテーマに制作していた定光は、「横になることができない」=「ベンチを前に立ち尽くす」様子をベンチだけで表現しました。今回の出品作は、「断つ・勃つ」などと読み替えのできる複層的な作品です。
② 「刺す」。コウシンは3Dプリンターを用いた生花を、パフォーマティブなアクションとして提示します。花は本来「挿す」ですが、作品の背景には、日本文化に脈々と流れる「様式化」を鋭く読み解く問題意識があります。
③ 「登る」。野澤が登るのは、大木に見せかけた合板の構築物です。合板というテクノロジーはもはや私たちの生活に欠かせませんが、それが大木を装ったとき、「登る」姿はナンセンスな行為に転じます。
彫刻でありながら、うごめく身体が見える。そんな3名の作品をお楽しみください。
アーティスト
コウシン:遊びや身体の行為を通して日常に潜む制度的な暴力を可視化する
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定光利季:自身に染み付いたポップカルチャーや現代風俗などを手がかりに、人と社会のあいだに生じる隔たりや見えない圧力を読み解く。
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野澤重太郎:美術施工の現場でみた、ホワイトキューブの裏側に潜む構造美や身体性を作品を通して可視化する。
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