木の板を彫り、銅の板を刻み、色を重ね、紙へと刷り上げていく―。
作家一人ひとりが、多種多様な技法の中から自身の感性にふさわしい方法を選び、版と対話するように制作を重ねていく版画。
一つひとつの工程には、作家自身の想いや記憶、感情が映し出され、紙の上にあらわれる色彩や線の表情、刷りの質感には、作家独自の美しさと豊かな個性が宿ります。
このような奥深さを秘めると同時に、「暮らしの中に迎え入れやすいアート」であることも、版画作品の魅力の一つ。リビングや寝室に玄関…さまざまな空間に飾りやすく、一枚を壁にかけるだけで、日常の中に新たな視点と心地よい余韻をもたらしてくれることでしょう。
本展では、あなたのライフスタイルに寄り添う、上質で個性豊かな版画作品の数々を、前期・後期の2会期に分けてご紹介。前期には、版画ならではの色の重なりや濃淡が見る人の心を弾ませる、色彩豊かな作品に焦点を当てます。ときにやわらかく、ときに鮮烈な色彩の表情をお楽しみください。後期では、白から黒へと移ろう繊細な階調と、その中に立ち上がるユーモラスな作品世界を味わえる、モノクロームの作品を中心に展開。総勢12名の版画作家、それぞれの世界観が響き合う展覧会です。
これまで多くの版画表現に魅了されてきた方々はもちろん、「部屋にアートを取り入れたいけれど、どんな作品を選べばよいかわからない」という方にも、日々の暮らしをともに過ごしたくなるような、とっておきの一枚をご提案します。
あなただけのお気に入りとの出会いを、ぜひ会場でお楽しみください。
作品紹介
青木 晴美 「sound 111」
遠藤 萌 「水をみること」 水性木版, 和紙
佐藤 寧音 「 『『これほしい』』 」
陳 憶誠 「連続労働+修正」 油性木版, 彫り進み法
本田 このみ 「ジャングル —探検—」 水性多色木版画
宮本 承司 「しょうゆクラウン」 木版
青木 鐵夫 「会話」
草薙 薫 「満月職人」
黒石 美奈子 「UMWELT-09」 羊皮紙 / エッチング, アクアチント, トナー転写
武田 あずみ 「夢みる婦人の話」
田中 彰 「Maiwashi Hirakata Fishing Port Kitaibaraki」
木版画, 西ノ内和紙に水溶性油性インク
木版画, 西ノ内和紙に水溶性油性インク
長沼 翔 「醒めるなら せめてまだ 醒めないでいて」