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REPORT

真夜中の映画祭 リターンズ
2018年7月7日(土)22:15~翌04:30
会場:COURT
Aチケット:2000円
Bチケット:7000円

→WEBページ http://www.hikarie8.com/court/2018/06/post-251.shtml

 

REPORT

 

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渋谷ヒカリエは、東急文化会館のDNAを引き継ぐ渋谷の文化発信の拠点。

かつてここには、「渋谷パンテオン」をはじめとする4つの映画館があり、

メジャー作品やミニシアター系の秀作、ドキュメンタリー作品などが上映されていました。

そのスピリットが色濃く残る「8/」で、オールナイトの映画祭が開かれました。

 

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2018年の七夕の夜、「真夜中の映画祭」が帰ってきました。

2012年には渋谷のミニシアター再生を目指して「第零夜」を開催、

2013年の「第一夜」では、若手の映像作家がヒカリエを舞台に撮影したオムニバス映画『ヒカリエイガ』を上映。

5年ぶりの開催となる今回のテーマは、「インディペンデント映画のカッティング・エッジ」。

若手クリエイターや巨匠のトークから、

インディペンデント・フィルムの知られざる制作現場や現状が浮かび上がりました。

 

 

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開始時間は21:30。終了時間はなんと翌朝4:30!というオールナイト企画です。

当日のプログラムに沿って、振り返ってみましょう。

 

21:30 開場

 

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左)主演の佐野弘樹さんと里内伽奈さん

 

21:45 第2回 1)STFF-S オリジナル短編映画

『夕焼けスクランブル』オープニング上映

渋谷と佐世保を舞台に撮影された15分のショートフィルムが上映されました。

 

1)第2回渋谷TANPEN映画祭 CLIMAX at佐世保2018-1019。防災協定で結ばれる「渋谷区」と「佐世保市」の親善と、世界に通用する映画作家を発掘・育成する短編映画祭

 

 

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22:15 「渋谷真夜中の映画祭 リターンズ」オープニング

映画祭代表の青山大蔵さん(株式会社シーズオブウィッシュ代表取締役)、総合司会を務める俳優の木村龍童さんのお二人が、第零夜からリターンズに至るまでの経緯、今回のプログラムについてトークしました。

 

 

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「映画の前にはどんな映画も平等だという感覚がありますね。皆さんも自主映画を撮ったら、『ハン・ソロ』と変わらないわけです。映画は、スマホで撮ろうが、15分の映画だろうが、8時間の映画だろうがぜんぶ平等。並列で語られるべきだろうと思って、今も撮り続けています」(瀬々敬久さん・映画監督)

 

22:30 (オープニング・スペシャルトーク)

7/7公開『菊とギロチン』瀬々敬久監督を迎えて
→公式サイト http://kiku-guillo.com

当日公開された「菊とギロチン」のレセプションを終え、瀬々敬久監督が駆けつけて下さいました。映画を撮り始めたきっかけ、30年温め続けた構想をなぜ今撮ったのか、大作を撮りながらも自主制作を続ける理由について、語って下さいました。若手クリエイターへ向けた熱いメッセージも必読です。

 

トーク詳細は、後日公開予定!(お楽しみに!!)

 

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「僕ら(ナガオカケンメイさんに向けて)の共通項は、美意識だと思うんですよ。だから、美意識のない、よくわかってもいない人に介入されたくない。政府にお金を出してもらったりすると、必ず圧力がかかるし。スポンサーが入ると、その意向が入っちゃう。全予算が出たりするけど、「いや、無理です」って、僕たちは断るのに一秒かからないじゃん、まぁ、ちょっと悩むけどさ(笑)それがなくなったら、生きていても仕方ない気がしますよ」(中野裕之さん・映画監督 ※写真左)

 

23:00 (第一部)

7/14公開『ピース・ニッポン』中野裕之監督とナガオカケンメイさんのトークセッション
→公式サイト http://peacenippon.jp

後世に残したい美しい日本の景色を8年間かけて撮り続けた中野裕之監督、47都道府県が持つ魅力を、書籍『d design travel』誌でデザインの視点から紹介するD&DEPARTMENT PROJECT創設者のナガオカケンメイさん。かねてから交流のあるお二人に、完成までの道のりや、アーカイヴする意義を教えていただきました。

→トークはこちら

 

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「内面が空洞になってしまった人のドキュメンタリーをつくるうちに、お互いの関係性が変わっていきました。関係性ごとドキュメンタリーになっていけたらいいかなって思って撮り続けています」(金川晋吾さん・写真家)

 

23:30(第二部)

写真家 金川晋吾との対話

〜ファインダー越しに彷徨う人間の「わからない心」を見つめて〜
→公式サイト http://kanagawashingo.com

ときどきふらりと出て行ってしまう父の姿を撮り続け、写真集『father』を発表した金川さん。親子の関係がどう変わったのか? これから父はどこへ向かおうとしているのか? 映像作品とともに語っていただきました。

 

 

24:45(第三部)インディペンデント映画の“Cutting Edge
〜「渋谷真夜中の映画祭」から飛び出す若き映像クリエイターたち〜

 

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「『ヒカリエイガ』の制作費は、トータルで100万円。「10万円しか予算はありません」と伝えて、あとは監督にお任せしちゃったんです。細かいところを話せば、ぜったい完成できないと思ったから」(本田孝義さん・プロデューサー・映像作家)

 

part1:「ヒカリエイガ」を作ったクリエイターたちの今
登壇者:本田孝義監督、完山京洪監督、澤田サンダー監督、加藤綾佳監督

2012年、ヒカリエの各フロアを舞台に製作されたオムニバス映画『ヒカリエイガ』。壮大な企画はどうやって生まれ、実現したのでしょう? 監督たちが集まり、当時の撮影秘話や資金繰り(!)、その後のご活躍について、大いに語り合いました。

→トークはこちら

 

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「私が小学校のときに毎日通った道を、スタッフに撮ってもらって映画になる。自分の目に映ったものが、こんなにたくさんの人の目に映るというのが面白いなぁって思いますね」(加藤綾佳さん・映画監督)

 

part2:ファンディング・プレゼンテーション
登壇者:加藤綾佳監督

9月8日から、最新作『いつも月夜に米の飯』が公開になる加藤綾佳監督。ご出身地の新潟で大好きなお酒に囲まれた撮影の様子や、作品の見どころ、オープンしたばかりのクラウドファンディングのサイトについてお話しいただきました。

 

 

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26:45(メイン上映)『マイ・ブルーベリー・ナイツ』
〜こんな真夜中にブルーベリー・パイを食べながら〜

「渋谷パンテオン」のDNAを受け継ぐ場所で、ミニシアター作品の佳作をかける企画。ウォン・カーウァイ監督作品『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2007年製作)が上映されました。主演に、歌姫ノラ・ジョーンズ。共演に、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマンら、若手実力派俳優。NYのカフェを舞台に、映像美と東洋的な観念が溶け合ったスイートな作品。失恋からはじまった恋は、どこへ向かうのでしょう?

 

Column

 

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D&DEPARTMENTオリジナルのブルーベリーパイ

レイトショーのおともは、D&DEPARTMENTオリジナルのブルーベリーパイ。作中では“選ばれない”メニューとして登場しますが、このブルーベリーパイは格別です。袋をあけると、ふ~んわりとバターの香り! さっくりとした口当たりのパイと甘酸っぱいブルーベリーが、映画のムードにぴったりでした。

 

~クロージング~

 

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最後は運営メンバーで。長時間お疲れ様でした!

 

 “語り”を中心に構成された異色の映画祭。なかなか知ることのできない映画製作の舞台裏に触れることができ、脚本から公開まで、想像以上のプロセスと超えるべき壁があるのだなぁと、どんどんお話に引き込まれました。

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を劇場で観るのは初めて。以前DVDで観たときは映像美と主軸のラブストーリーばかり追ってしまいましたが、優れたロードムービーでもあるのだなぁ、ノラ・ジョーンズの横顔がきれいだなぁと、パイを食べながら、二度見の楽しみを堪能。渋谷のミニシアターに通った大学生の頃を思い出しました。(ライター・鈴木徳子)

 

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