8/

REPORT

8/展 渋谷ヒカリエにある"ハチ"のこと スペシャルトーク③
2018年2月27日(火)19:00~21:00
会場:COURT 無料

渋谷ヒカリエ「8/」 は2012年の開業からまもなく丸6年。この節目のタイミングに改めて、8/ 誕生の経緯、8/ を取り巻く人々、8/ で起こったプロジェクトなどをご紹介するアーカイブ展「8/展」を開催しました。創設メンバーなど「8/」キーパーソンによるスペシャルトークイベントも実施しました。

 

 

第2部 『8/ から生まれた、あんなことやこんなこと』

 

<ゲスト>

ナガオカケンメイ氏(デザイン活動家・d47ディレクター)

小山登美夫(こやま・とみお)氏(小山登美夫ギャラリー代表)

竹本佳嗣(たけもと・よしつぐ)氏 (コクヨ株式会社 クリエイティブセンター)

薮田尚久(やぶた・なおひさ)氏 (アートフロントギャラリー)

左京泰明(さきょう・やすあき)氏(シブヤ大学学長)

横石崇(よこいし・たかし)氏(&Co.代表取締役/TOKYO WORK DESIGN WEEK オーガナイザー)

谷中修吾(やなか・しゅうご)氏(地方創生イノベータープラットフォームINSPIRE代表理事)

小林乙哉(こばやし・おとや)氏 (東京急行電鉄株式会社)

飯村祐一(いいむら・ゆういち)氏 (東京急行電鉄株式会社)

 

<モデレーター>

篠田なつき(しのだ・なつき)氏(東京急行電鉄株式会社)

 

 

 

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篠田なつき氏(以下、篠) 第二部からは8/の運営をしております私、篠田が進行させていただきます。よろしくお願いします。

 「8/から生まれたあんなことやこんなこと」というテーマで、ゲストの方におこしいただいています。8/を舞台にさまざまな企画を、この6年間で展開していただいたプロデューサーのみなさんです。「シブヤ大学」学長の左京泰明さん、「&Co.」代表取締役で、「TOKYO WORK DESIGN WEEK」オーガナイザーの横石崇さん、地方創生イノベータープラットフォームINSPIRE代表理事の谷中修吾さん。引き続き、コミッティメンバーのみなさまにも、お話しいただけたらと思います。

さっそく、左京さんから自己紹介と8/との関わりをお願いします。

 

 

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※左京泰明(さきょう・やすあき)氏

(シブヤ大学学長)

早稲田大学卒業後、住友商事株式会社に入社。2005年に退社後、特定非営利活動法人グリーンバードを経て、2006年9月、特定非営利活動法人シブヤ大学を設立、現在に至る。著書に『シブヤ大学の教科書』(シブヤ大学=編 講談社)、『働かないひと。』(弘文堂)がある。

http://www.shibuya-univ.net/professor/detail/21/

 

プロデューサーを招いて

 

左京泰明氏(以下、左) NPO法人で「シブヤ大学」という活動を、ここ渋谷でやっている左京と申します。8/との関わりは、2012年の開業当初から。コンセプトのひとつ「市民の集会所や学びの場」という部分と、「シブヤ大学」の活動に親和性があるということで、お声がけいただいたと思います。渋谷という地域や商業施設とは一見似つかわしくないと思われがちな社会的な課題、公共的なテーマを扱うイベント…僕らは“授業”と呼んでいまして、ここでよく開催させていただいています。

 

 

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※横石崇(よこいし・たかし)氏

(&Co.代表取締役/TOKYO WORK DESIGN WEEK オーガナイザー)

多摩美術大学卒業後、メディアアート展示やブランドサイトのWeb制作を経て、2008年、クリエイティブエージェンシー「TUGBOAT」へ入社。Webサービスの立ち上げやデジタルメディア・マネージメントを担当し、取締役を歴任。100日間限定で世界を放浪した後、2012年に人材業「BENCH」を設立。働き方や仕事にまつわる国内最大規模の知的都市型イベント「TOKYO WORK DESIGN WEEK」のオーガナイザーを務める。2016年、「&Co.」を設立。プロジェクト単位でチームを編成し、ブランド戦略やコミュニケーション・プランニングなどを手がける。

http://www.andcoltd.jp/

 

 

 続きまして、横石さん、お願いします。

 

横石崇氏(以下、横)4人のレジェンドの前でこういう話をするのも恐縮なんですが、この場所が生まれた経緯などを伺うと、自分のやっていることとすごくリンクしていて、改めてこの場所をホームグラウンドにしてよかったなと思っています。

 「TOKYO WORK DESIGN WEEK-働き方の祭典-」というイベントで、11月の勤労感謝の日付近の7日間を連続でお借りして、多様性をキーワードに、働き方にまつわるトークカンファレンスやワークショップなどをやっています。

 開業時、東急電鉄の小林乙哉さんと磯辺さんに「ヒカリエでぜひ、働き方にまつわるイベントをやらせてもらえませんか?」と、飛び込みでお願いしたところ、「いいじゃない、いいじゃない」と、即決でOK出していただきました。おかげさまで6年開催して、のべで1.5万人ぐらいの方にご来場いただいています。

 

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※谷中修吾(やなか・しゅうご)氏

(地方創生イノベータープラットフォームINSPIRE代表理事)

東京大学大学院工学系研究科卒。BBT大学 准教授。NPO・NGO経営参謀、公益財団法人松下政経塾、外資戦略コンサルティングファームを経て、地方創生まちづくりプロデューサーとして事業開発を手がける。スターバックス、キヤノン、松下政経塾の連携による復興支援プロジェクト「道のカフェ」や、地方創生まちづくりEXPO「まちてん」、環境省「グッドライフアワード」の総合プロデューサーを務め、2017年には、8/で「エコアドベンチャー展」総監修を務めた。

http://www.shugo-yanaka.com/

 


 続いて、谷中さん、お願いします。

 

谷中修吾氏(以下、谷)はじめまして。地方創生のイノベータープラットフォームINSPAIREという団体を経営しております谷中修吾と申します。私は、2年ぐらい前からこちらの8/COURTでイベントをさせていただいています。

 私は、日本中にいる国内の地方創生のイノベーターを束ねています。イノベーターとは、町づくりの領域で、ゼロから1を創り出す、100人中2~3人ぐらいいる” ちょっと面白い人たち”。 (私は彼らの活動を)「超絶町づくり」と呼んでいます。ヒカリエホールでは年1回大きなカンファレンスを、8/では地方創生のイノベーターの集合知を発信するような企画を展開させていただいています。

 

 

 

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※2018年1月に開催された第13回「都市創造会議」。テーマは、「あたらしい介護のかたち」

 

 

COURTが活動を後押ししてくれた

 

 第1部で8/がどのように生まれたかというお話がありましたが、いかがでしたか? 左京さんからお願いします。

 

 伝説的に伺っていたお話を、みなさんから伺えてよかったなと思います。僕らはとくにCOURTとCUBEを使わせていただいているんですが、非常に稀有な場が、(みなさんの)思いや仕組みの上に成り立っていることを再認識し、恩恵を受けている一人なんだろうなと、改めて感謝しました。

 

 ありがとうございます。左京さんには開業のときから「シブヤ大学」の会場として使っていただいたり、少しアカデミックな「都市創造会議」も定期的にしていただいていて。一番心に残る瞬間があれば、お伺いしたいのですが。

 

 僕らが活動し始めた2006年頃は、まだNPOというものに対して居場所がなかったんですね。渋谷のような新しい文化を受け入れるところでも、NPOというだけで会ってもらえなかったり。「うちは寄付できないから」と対応されることもしばしばある中で、どれほどCOURTが活動を後押ししてくれたかと思います。「シブヤ大学」の授業や特別な周年行事や渋谷区役所の若い職員向けの研修をはじめ、最近では、そのほかのNPOとのつなぎ役というかたちで※「超福祉展」というイベントもさせていただきました。

思い出深いのは、※「スケッチトラベル展」。アフリカやアジアの支援をしている国際的なNGO「特定非営利活動法人ルーム・トゥ・リード ジャパン」と一緒に絵を販売し、それをすべて寄付に生かすプロジェクトを開催させていただきました。世の中の目を少し変えていけるような、クリエイティブな公民館のような感覚でここを使わせていただいてます。

 

 当初のコンセプト通りの使われ方をしているなという風に感じますが、ナガオカさん、いかがですか?

 

ナガオカケンメイ氏(以下、ナ) 思惑通りですね(笑)

 

一同、笑

 

※「超福祉展」…2014年から毎年開催。障害のある人や高齢者、LGBTなどのマイノリティ、福祉そのものに対する「意識のバリア」を、従来の福祉の枠に収まらないアイデアやデザイン、テクノロジーで超えるプロダクトや開発者を数多く紹介した。http://www.peopledesign.or.jp/fukushi/

 

※「スケッチトラベル展」…2013年に開催。宮崎駿、松本大洋、寺田克也はじめ、アニメーション、マンガ、イラスト、絵本など各界の第一線で活躍中の国内外のアーティスト71名が参加。作品をオンラインで販売し、その収益を国際NGO「ルーム・トゥ・リード」を通じ、アフリカに図書室を作る費用に充てた。http://www.hikarie8.com/cube/2013/05/post-13.shtml

 

 

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※2017年11月17日(金) - 2017年11月23日(木)に開催された「Tokyo Work Design Week」

 

 

「ドラえもん」に出てくるドラムのある公園みたい

 

 続いて、横石さん、お願いします。

 

 この場所って、実はめちゃめちゃ使いづらくて(笑) カーテンがないので、話している内容が抜けちゃうんです。集会所としては熱狂を生み出したいわけなんですが、空いてることで抜けやすくなるんですよね。一方で、隣にミュージアムやギャラリー、後ろにMOVというワークスペースがあって、すごく多様な情報が流れる設計でもある。(来場者が)集中してくれないのかなと思いきや、登壇者はすごく話しやすくて、(来場者と?)ニュートラルに話せるスペースがあるんです。今日も(僕は)レジェンドを前にあまり緊張していないんですけれど(笑)コミュニティを生み出す場所としては、たぶんこんなにいい場所はないのかなぁと思っていて。僕は「ドラえもん」に出てくるドラム缶のある公園みたいだなと思っているんです。ルールもほとんどなくて、自由に使っていい。一度、コーヒーをこぼして「うちは絨毯だから!」って怒られたぐらい(笑)

 こういう場所は本当に稀有だなと思いますし、超一等地に、東急さんはこんな収益性のあまりよくない場所をつくってどうするつもりなんだろうと思っていたんですけれど。クリエイティブとビジネスが混ざる場所に働き方の未来があると僕は思っているので。東京、日本中を探してもここしかない場所なのかなと改めて共感しています。

 

 先ほどご紹介いただいた「TOKYO WORK DESIGN WEEK」は2013年から今年で6年目を迎え、COURTで働き方の祭典のイベントを実施いただいています。

 

 「TOKYO WORK DESIGN WEEK」で大切にしているのは、単純な1:N(不特定多数) ではなく、1:1を何回も繰り返すような試行錯誤をしていくこと。それがいいコミュニティになるんだろうなと思うんです。先生のような(敷居の高い)人が壇上にいるというより、自分も知っているちょっと目上の人や、周りで変わったことをしている人たちが登壇して、(ひとつのテーマを)みんなで話し合う。(COURTは)100人ぐらい(がマックス)で、いい感じで話せますね。なんとなく顔と名前が一致するぐらいの人数なので、コミュニティをつくるにはちょうどいい規模なのかなと思っています。

 

 

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※2017年8月、約1か月間開催された「SHIBUYA WANDERING CRAFT 2017 ECO」の様子

 

手作り感を許してくれる雰囲気がいい

 

 谷中さん、お話を聞いていかがでしたか?

 

 自由度と、ふり幅の話がすごく興味深くて。私はわりと振り切りがちな方だったかなぁと思いました。

2010年頃に、※「TEDxSeeds」のキュレーターをしたことがきっかけで、イノベーターの集合知を広く発信したいと考え、「超絶町づくり」の※TEDを8/に炸裂させたのが2016年。(それ以外にも、)初めて(私が)8/でやったことは、(会場に)座布団を導入したり、チャンバラをやってみたり。「こんなことも地方創生になるんだよ」ということを実践してみたんです。だんだんヒートアップしてきて…(この写真が)斬りまくる吉澤さん(笑)この姿を見たときに、私、ずっと一緒にここでやりたいと思いました。食堂さんにやや怒られそうになって、以後、気を付けるようにしています。

 先ほど東急文化会館のDNAというお話があったかと思うんですが、いろんなイベントを開催しながら、そのDNAが(私にも)伝わってきているように思います。昨年はじめて「SHIBUYA WANDERING CRAFT 2017 ECO」でCOURTとCUBEを総監修させていただくご縁をいただき、エコとアドベンチャーを地方軸で組み合わせた”エコアドベンチャー” (というテーマにしてみました)。生活の中でアドベンチャーをしながら、結果としてエコができているようなモノやコトを集めてみたんです。(COURTでは)スタードームの中でトークセッションをしたり、会場を訪れた子どもたちが遊べる「コドモのあしば」を置いたり、一緒に絵を描いたり。「すごくいいなと思うのは、手作り感を許して下さる雰囲気。文化祭のようなワクワク感があるんです。

 

 (今お話しして下さった)「SHIBUYA WANDERING CRAFT」は、過去4回やっていまして。8/が主催する夏のマーケット企画なのですが、昨年は“エコ”をテーマに約1か月間ここで開催しました。COURT・CUBEの企画については、谷中さんにパートナーで入っていただき、まさに文化祭のように手作り感覚でいろいろとチャレンジしました。

 

谷 そこでつながった方が、その後d47 MUSEUMからオファーをいただいたり。発展があって、うれしかったです。

 

 ナガオカさん、ご覧になっていかがでしたか?

 

 これはもう、運営交代したらどうですか?

 

一同、笑

 

 (コミッティメンバーを指して)ここ、引退しますんで(笑) なんかそろそろ、若返りした方がいいんじゃないですかね。

 

 僕は、ご一緒させていただきたいなと、さっきお話を聞いていて思いました。

 

 じゃぁ、一回一緒にやっていただいてからにしましょうか。

 

一同、笑

 

 若い皆さんを見ていらっしゃる薮田さん、お三方のプロジェクトのお話を聞いて、いかがですか?

 

薮田尚久氏(以下、藪) 谷中さんのプレゼンが素晴らしすぎて。立ち上げ当初の” クリエイティブ”は、美術やデザイン、工芸が中心だったと思うんですよ。だけど、渋谷という土地柄で、ソーシャルといっていいのかどうか僕はよくわからないのですが…それぞれの団体をずっと維持しておられることが立派だなぁと思うし、ちゃんと集客されるんですね。そこからいろんな方々につながって、さらにD&DEPARTMENT PROJECTさんの企画につながっていくというのは素晴らしい話だと思います。これからも参加者を増やしていけたらいいなと思います。

 

※TEDxSeeds…TED会議が提唱してきた”ideas worth spreading”の精神に共感し、「日本のアイディアを世界の人にもっと知ってもらいたい」という想いから発足。2009年より、思想、芸術、技術などの分野を越え、21世紀の「日本」の種として国内外で活躍している人たちが登壇し、パフォーマンスを繰り広げた。http://tedxseeds.org/

 

※TED…年に一回行われるカンファレンスの名称、運営する団体名。本部はニューヨーク。登壇者のプレゼンテーションやパフォーマンスを通し、あらゆる分野から発信されるアイディアを紹介するプログラム。もともとサロン的に行われていたが、無料の動画配信を機に広く知られるようになった。その音響や舞台装置も話題に。https://www.ted.com/

 

>>>④へつづく

 

 

 

 

 

 

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