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04/d47 MUSEUM

d47 MUSEUM 巡回展レポート 「NIPPONの47人 CRAFT」展がサンパウロへ

d47 MUSEUMにて2013年に開催した「NIPPONの47人 2013 CRAFT」展がブラジル、サンパウロにある「JAPAN HOUSE」にて巡回展を開催しました。

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JAPAN HOUSE」とは外務省による日本の発信拠点。サンパウロ、ロサンゼルス、ロンドンにあり、それら3都市を巡回する展覧会は原研哉さんによるディレクションが行われるなど、既存イメージに縛られない、日本独自の文化を発信しています。

 

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WEBサイトでも『「ステレオタイプ」あるいは「なんちゃってJAPAN」と形容されてきた活動に明確な一線を引きます。』と掲載している通り、これまでにANREALAGEや名和晃平さん、燕三条工場の祭典、山中俊治さん、藤本壮介さんなど、様々なジャンルと切り口で展覧会が行われ、私たちと同時期には「WOW」さんの「Fluidity(流体)」展も開催中です。

 

 

 

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今回の「NIPPONの47人 CRAFT」展は4月23日に一般公開を迎え、7月17日までの会期で行われます。2013年の開催時と変わらない47人の出展者での開催となりました。当時から更に進化した感性と、その土地の歴史風土を背景に持ちながら、自身の創造性と社会の需要のバランスを持つ作品から、「何を残し、何を変えるのか」という、ものづくりのヒントを感じていただく展覧会です。

 

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まず、日本には47都道府県があること。そして北は寒くて、南は暖かい。それぞれの地域の気候風土がものづくりと密接に繋がっていることを知ってもらうところから始まります。

 

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設営も現地チームと共に進めます。設営期間でも1日に3千人以上が訪れていました

 

設営期間中には、展覧会の会場に立つスタッフの皆さんに向け、展覧会の狙いや展示品解説の時間も確保してくれていました。約1時間、熱心にメモを取り、様々な質問をしてくださって、とても安心しました。

 

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参加スタッフの方々からは、「どうやってリサーチしているの?」「この素材は何?」「どこで買えるの?」という質問から、「なんで作品のほとんどに色が無いんですか?」という質問も。「え?色が無いってどういうこと?!」と戸惑いましたが、現地で目にする植物や建物、プロダクトやパッケージなどもビビットな色使いが多く、組み合わせも鮮やかな印象。それに見慣れている現地の方からすると、この展覧会の会場全体が、同じトーンに見えているようです。素材の活かし方や、日本の今の傾向などをお話しましたが、このように私たちでは気づかない視点も面白い出来事でした。

 

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「日本だからこそ、つくられているアイテムはありますか?」という質問も。今回の展示品は、いわゆる日本らしさを売りにしている作品はありません。全てリアルな暮らしの中で使われる生活用品。これらの何が日本らしいのか?を理解してもらうことが、この展覧会の最も重要なポイントでもあります。技術、素材、形状に日本らしさ、その土地の独自性や歴史背景を持っていること。そして、今の需要に応える表現。そこに、ものづくりの進化におけるヒントがあることを伝えてほしいとお願いしました。

 

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ちなみに、会期中の来場者からの質問で現地スタッフが答えられない内容の場合、運営スタッフから出展者へ質問。その内容を、質問した方へメールするなど、細やかな対応がされているそう。一つの企画で400を超える質問に対応しているそうです。見る側の姿勢もそれに応える姿勢も、非常に勉強になりました。(早速、d47 MUSEUMでも「教えてキュレーター!」として質問を受けてメールで応えるという取り組みを実施中です)

 

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ポルトガル語版タブロイドも配布しています

 

会期初日にはプレスプレビューや「ロングライフデザイン」のレクチャーも開催され、多くの方に起こしいただきました。

 

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ロングライフセミナーの様子

 

みなさん、一つ一つの作品に対して、細かな質問をしてくださると同時に、「美しさ」「細やかさ」「細部へのこだわり」を評価してくださる方が非常に多くいらっしゃいました。開始から2週間で2万7千人の来場者数になり、大盛況というこで、とても嬉しく思います。

 

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普段から文化施設で展示を見慣れている方々も多いそうで、観光客のみならず、地元の方も多くいらっしゃいます。近くにある数カ所の病院の待合の合間に、「カフェで待っているよりも、ジャパンハウスに行く」というような方も多いそう。様々な年齢層の方が来館しています。

 

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日本から24時間以上、時差はちょうど12時間。そんなサンパウロのJAPAN HOUSEのあるパウリスタ通りは、オフィス街だった時代から文化施設とショッピングモールなどが並ぶ街へと変化し、週末には多くの人で賑わいます。無料で入ることのできるカルチャーセンターなども多く、どれも夜遅くまで沢山の人で賑わう様子が印象的。私も夜20時くらいから街に繰り出し、展示を観て楽しみました。

 

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リナ・ボ・バルディ建築が有名なMASP(Museu de Artes de Sao Paulo)もジャパンハウスから地下鉄ですぐ

 

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また、ニューヨークのセントラルパークにも比べられる「イビラプエラ公園」にはオスカー・ニーマイヤーの建築も堪能できます。

 

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園内にある「アフロ ブラジル博物館」は、1日中居られるくらい充実していました。面白すぎます、、、!

 

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イメージしていた以上の魅力があり、自分の不勉強を反省しつつ、もっとこの土地のことを知りたいと心から思いました。

最後に、この巡回展で最も勉強になったのは、ジャパンハウスの事務局として全てを調整してくれるアリネさん! 専門的な事柄でも豊富な知識で対応。ブラジルの情報に詳しいことは勿論、日本との違いなども非常にわかりやすく説明してくださいました。海外からのお客様の多いd47 MUSEUMを更に面白く感じていただくには、まず、様々な土地の特徴を知り、比較してお話できるなどの要素も非常に重要なことなんだな、、、と実感。(そして言語も!)

 

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彼女の明るく、おおらかに、こちらの要望と現地を擦り合わせてくれるタフな姿勢に非常に助けられました。休日や展覧会前の忙しい時期でも、私たちを色々な場所に連れて行ってくれるホスピタリティも学ぶべきことが沢山あります。アリネさん、ありがとうございました!

 

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展示が始まって1ヶ月ほどが経ち、出展作家の元には、作品の感想や問い合わせメールが届いたそう。そんな風に反響をダイレクトに感じることができるのも、ジャパンハウス サンパウロにいらっしゃる方々の魅力だと思います。

 

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このような機会をいただき、改めてd47 MUSEUMの存在意義や、日々の発信方法などを振り返る機会になりました。展覧会にご協力いただきました出展者の皆さまを始め、ジャパンハウスご関係者の皆さまに感謝申し上げます。47都道府県の「らしさ」が国を超え、多くの方にとっての新たな発見につながればと思います。

 

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【展覧会概要】

NIPPONの47人 CRAFT 巡回展

時間10:00-20:00(日曜祝日は18時まで)

場所 JAPAN HOUSE Sao Paulo Map

お問い合わせ:03-6427-2301(d47)

JAPAN HOUSE Sao Paulo  公式WEBサイト

巡回展「NIPPONの47人 CRAFT」 公式WEBサイト

 

 

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