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ジェニー・ワトソン「other lives」展“other lives” Jenny Watson

会 期 2012年10月 3日(水) - 2012年10月22日(月)
時 間 11:00 - 20:00
料 金 無料 Admission Free

 

 

8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは、10月3日(水)から10月22日(月)までジェニー・ワトソン「other lives」展を開催致します。
 

ジェニー・ワトソンは1951年メルボルン生まれ。絵画を専攻後教育学を学び、自己の内面や幼少期の記憶とその外部との関わりを一貫したテーマとして制作を行っています。彼女は紙同様、様々な色や模様のある布や麻の上に作品を描きますが、それらの素材の存在感により、幼少期に身近に接してきたものや動物のモチーフをさらに自由に描くことができるようになったと言います。現在までにオーストラリア国内で60もの個展、ヨーロッパ、アジア、インド、ニュージーランド、アメリカで50以上の個展を開催しており、1993年にはヴェニス・ビエンナーレにオーストラリア代表作家として選出されました。日本での展覧会には「Child's Play」(2003年、横浜美術館アートギャラリー)があります。

本展ではリネンを用いたペインティング7点と、アクリル・水彩画15点を展示致します。

 

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8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery is pleased to present "other lives", a solo exhibition by Jenny Watson from October 3 (Wed) until October 22 (Mon).

Jenny Watson was born in Melbourne, Australia in 1951. She majored in painting and later took an Education qualification. She always creates works which reflect what is on her mind, memories of childhood and her relation to the outside world. She paints on colorful and patterned fabric and linen as well as works on paper. More specifically she paints animals and situations she directly experiences as well as memories from her suburban Australian upbringing. Up to this point in her career she has had 60 solo exhibitions in Australia, as well as more than 50 solo exhibitions in Europe, Asia, India, New Zealand and the United States. She was the Australian representative in the 1993 Venice Biennale. In Japan, she had the exhibition entitled "Child's Play" at Art Gallery, Yokohama Museum of Art in 2003. This exhibition showcases seven paintings using material such as hessian, and fifteen acrylic and water color paintings.

 

 

 

 

 

REPORT

ジェニー・ワトソン アーティスト・トーク (2012年10月3日(水)18:30〜)

  10月3日のオープニングでは、来日されていたジェニー・ワトソンさんのアーティスト・トークもギャラリー内で開催致しました。 当日はジェニーさんのお友達のオーストラリア人の方を始め、若い女性やお仕事帰りのサラリーマンなど、色々な方にお集り頂きました。以下、アーティスト・トークで行われたインタビューの模様をお伝えします。 ...続きを読む

ジェニー・ワトソン アーティスト・トーク (2012年10月3日(水)18:30〜)

 

10月3日のオープニングでは、来日されていたジェニー・ワトソンさんのアーティスト・トークもギャラリー内で開催致しました。
当日はジェニーさんのお友達のオーストラリア人の方を始め、若い女性やお仕事帰りのサラリーマンなど、色々な方にお集り頂きました。以下、アーティスト・トークで行われたインタビューの模様をお伝えします。
 
 
 
 
 
――― 今回の展示のタイトルが「other lives」ということですが、今回の展示のコンセプトをお聞かせ頂けますか?
 
ワトソン もう1つの私の人生という意味を込め、もし私が今の自分でなかったらどうなっていただろうと想像して作ったため、今回の展示作品で、私は乗馬姿になったり、原宿風のファッションに身を包んだ女の子になってみたりと、色々な姿、格好で描かれています。
 
――― 自己の内面や幼少期の記憶と、その外部との関わりをテーマにされていますが、それはどうしてなのでしょうか?
ジェニーさんは絵画を専攻後教育学を学ばれたということですが、関係があるのでしょうか?
 
ワトソン 私は、基本的に自分の想像力を使って作品を制作しているので、当時自分の身の回りにあった大切なもの、例えば、馬やうさぎなどもよく描いているのだと思います。また、私の作品制作において、Yoko Onoのようなコンセプチャル アーティストにも影響を受けています。Yoko Onoを知ったきっかけは、もともと私がビートルズの大ファンだったからなのですけれど(笑)。
1970年代に絵画を専攻していたとき、1年間教育学の勉強もしており、当時のオーストラリアではとても前衛的な教育システムが構築されいて、私も大変興味を持ったため、教育学勉強後は助成金をもらって実際に高校で教えたりもしました。私の論文も教育がテーマでした。
 
――― 様々な色や模様のある布、麻を使われていますが、そういった手法はいつから始められたのでしょうか。
またどういったきっかけだったのでしょうか。
 
ワトソン 1980年代初めから布や麻を使い始めました。当時はまだ布製品の値段が高かったため、私の作品のいくつかで使用している素材は、安価な馬のえさを入れる袋の生地からできています。その経験がこういった生地を使い始めるきっかけになりました。実際作品を作ってみると、仕上がりもなかなか面白いので気に入っており、今でも取り入れています。
 
――― 今回の展示作品にはないですが、地図の上に直接ペインティングされたり、
海外の生活や旅行の体験がとても作品に表れていると思いますが、そのように作品に海外体験を投影する意図はどこにあるのでしょうか?
 
ワトソン 私は旅先でその土地で手に入る素材を使用し、作品を作っていくのが好きです。例えば、地図の作品で使っている地図は、ベトナムのマーケットで買ったものを使用していますし、今回の展示では、日本の友人がくれた折り紙を使用したりしています。また、自分がその場で受けた感情も作品に込めています。
 
――― 1993年にベネチアビエンナーレのオーストラリア代表として選出されましたが、その体験はいかがでしたでしょうか?また、そこから作風の変化などに影響はありましたでしょうか?
 
ワトソン ベネチアビエンナーレは、私が今までにアーティストとして活動してきた中で、最も公的な体験でした。ビエンナーレに選出されたことで、イタリアを始め、多くのヨーロッパのギャラリーに出展する機会が増えましたし、テレビやプレスからの取材も増えました。しかし、当時まだ42歳だった私にとって、数多くのメディアからの取材は、あまりに大きな仕事であったように感じます。あと数年経っていたら、もう少し心に余裕もできたのでしょうけれど。でも、時間はコントロールできないので、しょうがないですね。
 
――― ペインティングのモチーフと、テキストの内容がすこし異なるように思われますが、それはどういった意図によるのでしょうか?
 
ワトソン このようなスタイルは1980年代半ばから始めています。アート作品を見るとき、人の意識というものは、実際そこまで絵画を見ることに集中しておらず、頭の中では全然違うことを考えていたりしますよね。ですので、そのような状況を作品に反映させているのです。
 
――― 作品の中で色々な姿になったご自分を描かれていますが、事前にそのような人物像のリサーチをしてから作品を作るのですか?
それともイメージを思い浮かべながら、描いているのですか?
 
ワトソン 自分の中で想像力を膨らませ、もう1つの私の人生の姿をイメージしながら描いています。
 
 


Wednesday, October 3 6pm to 8pm (The artist was present at the opening reception. ) 

 

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