Hikarie

SHIBUYA WANDERING CRAFT 2017 ECO

8.3 thu - 8.29 tue 11:00-20:00 入場無料

④ 数日ごとに変わるマーケット

8月2週目、COURTのマーケットへ出かけました。お盆の中日ということもあり、ご家族連れの方たちがたくさんいらしています。中央のテーブルでは、竹の灯篭づくりに没頭する親子。左手の「コドモのあしば」では、滑り台や落書きに夢中になっている子どもたち。右手のスタードームの中では、くつろいだり将棋に興じる大人たちも。まるで縁日のような雰囲気です。
遊び心を刺激する、木の温もりを感じるおもちゃ。建築廃材や鹿の角をアップサイクルさせたアクセサリー。デザインがきらりと光るクラフトたちがならんでいました。

収納しても、散らばっていてもかわいい

Sukima会期:8/11(金・祝)~8/13(日)
子どもも大人も欲しくなる、インテリアとしてもすてきな木のおもちゃをつくっている柳谷武さん・環さんご夫妻。いずれも、木の温もりと、ワクワクするような遊びのアイディアに満ちていました。お二人は、なぜ、おもちゃを手がけるようになったのでしょうか?
5歳と2歳のお子さんがいらっしゃる柳谷さん。プレゼントするおもちゃを探しに行っても、欲しいものが見つからなかったそうです。お二人は、ともにデザイナー。WEBやグラフィックを専門分野としながら、レーザーカッターを使ってプロダクトデザインも手がけるようになったそうです。その第一弾が、木のおもちゃ。
QRコードのついたお買い物カードをタブレットにかざすと、「ピッ、クロワッサン70円!」と、やや早口の声。木のコインに、アプリ「レジごっこ」を連動している点もユニークです。「木のコインなら、お金の生々しさもなく(笑)プラスチックより風情があって、散らかったとしてもかわいいかな?と思って」と、環さん。
  • 木のコイン「おこづかい」
  • ガチャガチャの中身は、木のピース。
    アクセサリーにしても。
木のピースをつなげてオリジナルのコースをつくる「せんろすごろく」、ルールがわらかなくても点と線で駒を動かして遊べる「いえしょうぎ」。平皿の陶器の将棋盤もあり、たとえば、クラッカーやチーズ、野菜などを駒に見立てて、食事を楽しみながら遊ぶこともできるのです。ふだんの食卓だけでなく、ホームパーティでも活躍しそう! ごっこ遊び、すごろく、将棋など、古典的な遊びを、デザインの力でアップデート。駒やコイン、パズルピースはガラス瓶に収納でき、それぞれを組み合わせて新しいゲームを生み出すこともできます。集める楽しみが増えそうですね。
  • 大人も子どもも夢中になってしまう「いえしょうぎ」。
  • 中央は「せんろすごろく」。奥は、レーザーカッターを活かしたブローチ。ワークショップのスペースも。

解体現場で見つけたアクセサリーのかけら

KiNaKo会期:8/11(金・祝)~12(土)
深い藍色のネクタイピンを見つけ、これは何でできているのだろう?と気になりました。聞けば、岩手県に多い丸型の瓦。スタイリッシュなアクセサリーは、建築廃材からできているのだそうです。
「きっかけは、おばあちゃんの家を解体したときなんです」とKiNaKoの水上奈都子さん。建物を残すことはできなくても、その一部を形を変えて、思い出を身につけることができたら…と、建築設計の仕事の傍ら、現場で見つけたピースを活かしてアクセサリーをつくるようになったそうです。カラフルな床材は軽やかなイヤリングに、アルミニウムはブレスレットに。サンプルとして廃棄される“建築になれなかったもの”や役目を終えたものたちに、新たな命を拭き込んでいます。アップサイクル*ゆえ、敢えてお求めやすい価格を設定しているそう。「パーツが壊れたときは、ご相談下さい」と、水上さん。ぜひ、オフィシャルサイトものぞいてみて下さい。パーツの背景にあるストーリーも魅力的です。
*アップサイクル
元の素材よりも、より価値の高いものを生み出すこと
  • LEDの端材をペンダントヘッドに。
    アルミニウムを活かしたブレスレット
  • 水上さんから聞く素材の物語が楽しい
  • 床材を磨いてピアスに。琥珀のような輝き

作家自ら山に入って

deer bone“hai”会期:8/18(金)~20(日)
象牙のような輝きを放っているアクセサリーを見つけました。素材は、鹿の角や骨。1点1点、ドリルを使って手作業で細工を施しているそうです。素材はどうやって入手しているのでしょうか?
獣害対策でハンティングされた後、捨てられてしまうことが多い鹿の角。作家の岡本梨奈さんは、自ら森に入って自然に生え変わった鹿の角を集めたり、ときにはハンティングをして、解体・煮沸・洗浄・乾燥から手がけているそうです。「役目を終えたものを、別の生き物にかたちを変えることができたら」と、岡本さん。モチーフは、フクロウ、ワニ、タコなどの動物や、植物。絵画を学んでいたということもあり、ひとつひとつ、今にも動き出しそうなほど繊細な加工を施しています。ショップ名の”hai”は、ダブルミーニング。別の形や役割に生まれ変わる”胚”と、扱っている素材への敬意を忘れないための”拝”という意味を込めているのだそうです。
  • 森の生き物、イノシシをモチーフに
  • 敢えて磨きをかけずにそのままの色をいかしたリングも
  • 森から、海の生き物・タコにかたちを変えて
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NIPPONの47人 2017 これからの暮らしかた -Off-Grid Life-
8/TV/099
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