Hikarie

SHIBUYA WANDERING CRAFT 2017 ECO

8.3 thu - 8.29 tue 11:00-20:00 入場無料

① 数日ごとに変わるマーケット

Wonderful(驚き)をもってwandering(歩き回る)する物産展「SHIBUYA WANDERING CRAFT」。今年のテーマは、エコです。8月最初の週末、さっそくwanderingしてきました。
エレベーターを降りて、最初に迎えるのはCOURTのエコアドベンチャー展。ここでは、環境にも人にも社会にも良いライフスタイルを、楽しみながら冒険的に実践している人たちを、トークセッションやマーケットなどを通して紹介しています。d47 MUSEUMでは、これまでの常識にとらわれず、本当の豊かさを求めて生きている47人の展示会が開かれていました。
どこから歩いてみようか悩んでしまいますが、まずは、マーケットのリポートからはじめましょう。手間を惜しまずにつくられた食べものや、クラフトが集結。佐渡の旬を閉じ込めた瓶詰、里山を守るためにハンティングした鹿のジャーキー…背景にあるストーリーと一緒に、お買い物がしたくなります。

佐渡のおいしいものにひとひねり加えて

佐渡保存会期:8/4(金)~7(月)
まずは、「佐渡保存」さんへ。旬の素材をいつでも食べられるよう、保存料を使わずに瓶詰にして、1年間食べられるように仕上げているそうです。「旬」と「保存」。一見、相反するキーワードのように聞こえますが、どのようにつくっているのでしょう?
「水を一滴も入れず、素材と調味料・スパイスだけで煮込みます」と、プロダクト・マネージャーの菅原香子さん。答えはとてもシンプルでした。水は全体を傷みやすくしてしまうため敢えて入れず、味にアクセントをつけながら保存の役割も果たすスパイスを加えて。水を加えないので、素材をたくさん使うのでは?「露地ものだけを使うので、売り切れてしまうと材料が入手できないんです。続くシーズンのプリザーヴを召し上がりつつ、来年までお待ちいただけたら」と、菅原さん。
驚くのは、その深い味わい。佐渡のソーセージの名店「へんじんもっこ」の生ハムに玉ねぎのペーストを合わせたスプレッド「生ハムトオニオンペースト」は、バゲットに塗るだけで香り高いワインのおつまみに。名産のごぼうを、ゆずと味噌で甘く煮込んだ「ゴボウトユズミソ」は、焼きおにぎりに塗って。甘いものを連想しがちな瓶詰ですが、ソースとしてお料理にもひと役買ってくれるのです。
種類は、季節ごとに20種。今回の来店を逃してしまった方も、ぜひ、WEBの通販サイトをのぞいてみて下さい。今、佐渡でおいしいものたちが待っています。
佐渡産の玉ねぎを、ワインビネガーとスパイスで煮込んだ定番の「スウィートオニオンスパイス」。甘酸っぱいプリザーヴは、お肉料理にもぴったりです。

染めと媒染を繰り返しながら生み出す、唯一無二の色

ソメヤスズキ会期:8/7(月)~13(日)
8月7日、出店初日の「ソメヤスズキ」さんへ。オフィシャルWEBで2色使いの吾妻袋を見つけてから、草木染らしい淡い色だけでなく、シックなブラックを間近に見てみたいと思い、出かけました。
ディスプレイを拝見すると、吾妻袋にはさまざまな色の組み合わせがあり、お弁当包みにぴったりなSサイズ、バッグイン・バッグとサブバッグを兼ねられるMサイズがあり、すっかり悩んでしまいました。鮮やかな色を選びたいところですが、気になるのは褪色。どうやってこの美しい色をキープすればよいのでしょう?「リキッドタイプの自然派の洗剤で洗えば、あまり色落ちしないんですよ。むしろ日光やライトに影響を受けやすいので、使い終わったら、引き出しにしまっておくといいですね。それでも褪色したときは、染め直しもできますよ」と、ディレクターの鈴木菜々子さん。それは心強い!
材料は、ヤシャブシやマリーゴールド、インドアカネなどの植物。煮出して、一点づつ手作業で染めるそうです。染めと媒染を繰り返しながら、深みのある黒色や赤色を生み出し、オーガニックコットン生地、糸までも染め抜くのだそうです。
本格的に染めを始めたのは、東日本大震災をきっかけに移住してからという鈴木さん。「染めはどこでもできますが、西粟倉村で染めると、心地いいですね。火と水と材料さえあれば、何が起きても染められるという安心感があります」。
その風合いの良さは触れるだけでも伝わってきますが、エプロンやギャザーパンツは、試着してみるとまるで羽衣をまとっているよう。シックな色合いに馴染むスタイリッシュなデザインは、パタンナーやデザイナーを介さず、鈴木さんと熟練の縫子さんがイメージを共有しながら仕上げていくのだそうです。すべて一点ものですが、生地をたくさん使う洋服が並ぶのは稀なのだとか。
子供服を手がけていたところ、ニーズに応えるかたちで大人の洋服もつくるように。大人用は、ユニセックスでフリーサイズ。裾を折り返したり、ウェストをぎゅっと絞ったり。着こなし方次第で変わるデザインも魅力
昔から使われてきた吾妻袋を、シックな色合いで。旅先では、スーツケースの中を整理する小分け袋に。温泉では着替え一式を入れてお出かけもできます(上段中央)
8/TV/098
NIPPONの47人 2017 これからの暮らしかた -Off-Grid Life-
8/TV/099
SHIBUYA WANDERING CRAFT 2017 ECO